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図書館本。この篠田真由美さんって作家、私は全然知らなかったんだけれど、読書メーターの本作の登録数を見るに、結構有名な方なのかな。
ゴメンよ、作家に疎いんだ。かと言って、別段強い分野もないんですけど、私。
この本は「ミステリーランド」というシリーズの1冊で、そのコンセプトは「かつて子どもだったあなたと少年少女にための」ミステリーを提供することらしい。子ども向けだけど、大人が読んでも楽しめるってのが狙い所なのかな。結構難しいよね、ソレ。
本作のストーリーを説明するならば、未だに大正時代の空気を漂わせる洋館に住む美しい女の死の謎についてが主題。洋館に君臨する彼女は白い肌と黒い髪に切れ長の瞳の絶世の美女であり、その館には彼女の信奉者の男たちが集う。
魔女とも天使とも女王とも称される彼女は、ある日死んだ。場所は洋館の中の一つの密室。その中には死してもなお美しい彼女と、泥酔したかつての婚約者の男、そして十九世紀の拳銃だった。
とまぁそんな具合なもんで、この元婚約者の男が犯人とされて警察的には一件落着で事件は終わってしまうのだけれど、彼が彼女を殺す動機が無いことなどから、関係者は彼の犯行に懐疑的。では誰が殺したの?と、物語の中でその答えを探していくことになる。
第一部では魔女の唯一の子どもである「少女」からの視点で、第二部では魔女の信奉者たちの視点で、第三部では全ての登場人物が集い、新たな「少女」の口から物語は完結を迎える。……んだけどね。
コロコロコロコロ視点が変わるもんだから、誰が魔女の死の真相を追いたいと願っているのか分からん。魔女の死が物語の根幹なのは分かるけど、どの人に重きを置いて読めば良いのか私にはサッパリ。
第三部で第一部の語り部が再登場するのかと思えば違うし(登場してることはしてるけど)、また第三部での語り役が誰なのか分かるまで間があるしで、盛り上がるまもなく終了しちゃった印象。謎が解けた!って言うカタルシスが無いよ。足りないよ。
それに、個人的な一番のマイナスポイントは、魔女の行動の理由が作中で一部明らかになっているけれど、その結果として誰も幸せになってないのが、なぁ。結局は独りよがりでしかないんじゃないの、と思えてしまったあたりが残念。
個人的には評価低めだけれど、挿絵や装丁、色使いが雰囲気ぴったりでその部分はとても素敵。これだけ雰囲気たっぷりなもんだから、ちょっと期待しすぎちゃったのかもなー。
夢見がちな女の子(小学校中学年くらい)に贈ると喜ばれそうだよね。子どもの時分にこういう本贈られたら嬉しかっただろうなぁ。贈られてたら私は確実に「自分が魔女並に美しかったら」妄想をしたね! 本当、残念だね、私が。
私はどうにもバロック音楽やバロック建築が苦手だ。
両者にはきっと「荘厳」なんて言葉が相応しいのだろうけれど、目や耳に重たくて、途中で耐えられなくなってしまうのだ。濃すぎる。
本書はバロック建築が流行の座にあった、1640年から1740年までの100年間における同時代の人間たちがどのように生きて死に、そして彼らがどのような種類の人間であったのかをその時代に書かれた伝記や日記や新聞などを掘り起こそうとの意図の下に書かれた一冊である。
1640年と言えば、三十年戦争の終結後であり、その長い戦乱のせいでドイツ国内は文化面でも経済面でも破壊され、お隣のフランスにヨーロッパの覇権を奪われつつある時代でもある。
と言っても、別に「我が祖国よ、衰退してしまうとは情けない」的な嘆き節はゼロ。淡々と様々な階級の手による書き物が紹介され、それが積み重なってこの時代の雰囲気を伝えようとしている。
ただやっぱり、この時代の生活は大変そうだ。三十年戦争は終わっても、戦争はあったし、そもそもな話、三十年戦争で疲弊したから戦争はもうイヤみたいな空気はなかったようだし。戦争からは逃げられても、疫病や不作だって頻発していたのだから、死はすぐ身近な存在だ。
そんな近すぎる死への恐怖と、「今、生きている」ことを実感するために生み出されたのが私には重すぎるバロック建築だったり音楽だったりするのかなぁ、と言うのが本書を読んでの私の感想。
でもまぁ、「身近」なんて言っても、当時はそれが普通だったのだから、その時代の人々がそこまで悲観していた訳でもないんだろうけれど。
本書は第七章までで成る。
第一章の時代の輪郭ではそのタイトルの通り当時の歴史的な状態を、第二章 回顧で過ぎた三十年戦争の悲惨を、第三章 肉体と魂ではこの時代の今見れば奇妙とも思える死への接近を、第四章 お上と臣下においては宮廷での上下関係が少しと派手すぎる宮廷生活を垣間見れ、第五章 職業と経済で職人になるための過程と当時の生活物資の価格が分かる。
第四章で少し語られる宮廷での派手すぎる祝宴模様は同じ叢書・ウンベルシタスシリーズの『大世界劇場』が詳しい。
こちらは薄い本だけれど、2章ほどがバロック時代に裂かれていて嬉しい。
こっちを読むと、『バロックの生活』以上に「ここまで! よーやるなぁ」との感想を禁じ得ないけれど、貴族は貴族で宮廷に求心力を持たせるために、また「何もない」ことへの恐怖から逃れるためにここまでやらなければならなかったってのが悲しい。今見るとただの浪費にしか見えないけれど、そこまでに至った理由がちゃんとあるんだよなぁ。ただの酔狂でここまでやってる訳じゃない。
『バロックの生活』に引用されている様々な物の内で、最も印象に残る、まぁ引用量も相当多いんだけど、のはディーツ親方の自伝だ。
引用された部分だけでは物足りない、と探したら、ちゃんと日本でも出版されてました。『大選
まぁ大部分は『バロックの生活』で引用されちゃってるので、目新しい発見はないんだけれど。それでもそれなりに面白い。
っと、ここまでで3冊の本のリンクを張ったけど、どれもこれも見事に表紙の情報がない。ちょっと寂しいなぁ、って訳で我が家の猫の足の裏でも見てあげてください。全部ピンクなんですよ、可愛いでしょ、と親馬鹿ならぬ飼い主馬鹿な自慢をしておきます。肉球が可愛くても本人(本猫?)の性格は可愛くありませんけど。
ディーツ親方の自伝はともかく、他2冊のは表紙が結構カッコイイので、アマゾンに表紙データがなくて残念。
この<叢書・ウニベルシタス>シリーズは表紙を剝がした下もカッコイイ。赤い布貼りに金字タイトル! 手触りもなかなか。
中の印字がたまに擦れてたり削れてたりするのはご愛敬。
いや、面白かった。うっすらと伝奇がかった物語が好きだというのもあるが、それを差し引いてもここしばらくの間では最も楽しめたシリーズだった。
ただ、敵として描かれた少女たちの内面にももう少し踏み込んで欲しかったとは思う。特に供子とか双子とか供子とか。
あと、依紗子が仕掛けた一世一代の大呪から主人公が結構あっさりと解放されちゃって、依紗子カワイソ。
なにはともあれ、「物足りない」と「くどい」の隙間の微妙なボリュームで綺麗に纏められているので、何かの折に読み返すシリーズになると思う。
ところで、シリーズとしてのボリュームは丁度良いんだが、「あかろま。」は当然出るよね?
あなたにとって今年一番おもしろかった、または印象に残った本を1冊紹介してください。
今年はカラマーゾフの兄弟なんて名作も読んだけど中勘助の銀の匙をちょいす!
実はまだ全部読んでない
終わりそうだけど終わってほしくない気持ち
中勘助の本を読んだのは初めてで全くの無知で読み始めたけど
衝撃的。。。щ(´□`)щ おーまいが
まず、文章が美しい
今までわたしが読んだことのある「詩的な美しい文章」てのは
大抵中身が伴ってなくて装飾的なだけで
くだらなーいっていうものばっかりだったけど
内容が表現と対等にあるのにびっくり。。。
アイロニーやジョークが人をはっとさせる最も有効な手段だと思ってたけど
詩的で美しい表現ていうのも、こんなに人の心を動かすことが出来るんだなぁ
この点についてはもうちょいつきつめて考えてみよってところかな
第2に、子供心リアルすぎ 笑
大人が描く子供心ってたぶんもっと違う封に描かれてるものが多数なんだけど、
この作品の中の子供心は違う
ものを書けないし表現するすべを知らない子の頭にへんてこな機械を装着すると、
その子の心を文章として打ち出してくれる、、、みたいなもんがないと多分無理でしょ!
ていうくらいリアルじゃねー?
人嫌いで人見知りキッドなわたしは、怯えとか嫌悪の感情を痛いほど思い出したよー
第3に、擬音がかわゆい、レトロ。かなりつぼにはいるー。
時代が時代だから、話に出てくる物や事がなんのこっちゃ。
注釈読んでもふーんて感じ。いちいち勉強してたらキリにゃいね
大正(明治?)レトロ萌えな人にはたまんないだろうなー
おばあちゃんが生きてたら聞けるのにな
残りあと数ページ
というわけで、今回は広げた風呂敷をたたみ始める切欠となるお話。
相変わらず安定した面白さだったんだが、ひとつ気になった点がある。それは、バトルシーンで主人公がやたらと「俺は勘違いをしていた」と繰り返すことだ。
未知の能力を持った敵に対して、その能力を少しずつ暴きながら戦わなければならない以上、何度も勘違いをして少しずつ修正していくことになるのは当然だろう。しかし、こうもひねりも無く何度も繰り返されると、主人公が思慮の足りない猪突猛進男に見えてくるし、読んでいるほうもうんざりしてくる。
頭脳戦の描写の仕方にはもう一工夫欲しかったところだ。




