超一流のフー&ホワイダニットによって
ミステリの本質を深く掘り下げた東野文学の最高峰。
「要するに今の親は自分では全く本を読まないくせに、
子供には読ませなきゃいかんと思っているわけだ。
ところが自分に読書の習慣がないものだから、何を読ませていいのか見当がつかない。
で、結局お役所が薦める本をあてがうことになる。
ところがそんな本はお堅いばかりで少しも面白くないから、子供は本嫌いになる。
そういう悪循環が、えんえんと繰り返されていると考えていいんじゃないかな」
「彼が恐ろしいと思ったのは、暴力そのものではなく、
自分を嫌う者たちが発する負のエネルギーだった。
彼は今まで、世の中にこれほどの悪意が存在するとは、想像もしていなかったのだ」
犯人はすぐに発覚する。
が、しかし、動機は二転三転していく。
本文のミスリードに何度も騙されつつ物語を読み進めていくと
最後作者に騙されたと思ってしまう。
人が人を殺す理由は何なのか?
悪意とは。
こういうミステリー好きです。